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当院では腎臓病および透析関連疾患などを主な対象疾患としています。 腎臓病には急性および慢性の疾患があります。主に慢性腎臓病が治療の主体となります。現在では生活習慣病を誘因とする糖尿病による糖尿病性腎症が最も多く、次いで高血圧などによる腎硬化症,そして糸球体腎炎などの腎臓自体の疾患や先天的な多発性嚢胞腎や尿細管間質性腎疾患などがあります。腎臓は「物言わぬ臓器」と例えられ慢性腎臓病はかなり病態が進行しないと自覚症状がほとんど現れません。しかし肝臓などとは異なり再生能力が非常に低いため慢性経過をたどって失った機能の回復は望めません。そのため早期の段階から予防に努める必要があります。
血糖,高血圧,脂質など包括的に管理されるようになり典型的な糖尿病性腎症の経過を辿らなくなってきています。このような糖尿病を有する慢性腎臓病のことを糖尿病性腎臓病と呼びます。 また糖尿病などによる病気がもとで慢性腎臓病が悪化していると思われる中には,糸球体腎炎を発症し悪化していることもありますので急に悪くなった場合には専門医に見てもらうことが必要です。また健康診断で尿潜血や尿蛋白が指摘されることがあります。ほとんどの場合には問題ないことが多いですが,この中に腎生検が必要な場合もありますので,やはり専門医に見てもらうことは重要です。
血圧とは心臓から送り出される血流量と体の隅々まである血管の抵抗で維持されています。血圧に関係している体液は主に水と塩分でできています。水や塩分が多くなると血圧が上昇し,逆に少なくなると低下します。この時,水や塩分が多くなった場合には血圧が高くならないように腎臓で水や塩分を排泄するように働き,水や塩分が少なくなった場合には血圧が低くならないように腎臓で排泄しないように働いています。腎臓自身だけでなく,脳,心臓,血管からも血圧の変動に応じホルモンが分泌され腎臓に調節するよう働きかけています。 つまり腎臓が正常に働いていることで血圧は維持されています。そのため高血圧にならないためには,特に塩分をとりすぎないことが重要となります。腎機能が正常であっても塩分摂取は6g未満が推奨されていますが,腎機能が低下した場合には3g未満にしないと調節ができない状態となることもありますので慢性腎臓病の予防のためには日頃から薄味にすることが大事です。
腎機能の評価は、一般的に筋肉の酵素であるクレアチニンを代用し間接的に評価しています。クレアチニンはかなり腎機能が低下しない限りはその数値は高くならないため、年齢と性別を考慮し、より分かりやすくeGFR値で表します。しかしクレアチニンは筋肉の酵素であるため筋肉量や栄養状態などによって左右されることがあります。そのため筋肉量や栄養に左右されない細胞内の酵素であるシスタチンCを利用しeGFRを測定します。このシスタチンCのほうが正確に腎機能を反映していることが多く、クレアチニンとの乖離がみられた場合には良くも悪くもシスタチンで測定したeGFR値のほうが死亡リスクや末期腎不全リスクを反映するとの報告があります。
腎機能が低下した場合でも、腎臓の負担を評価し悪化速めないように評価・治療を行う必要があります。一般的な内科では血液検査での評価で対応可能ですが、腎臓においては尿検査も行い定性的定量的に評価をする必要がありますので健康診断などで高血圧、糖尿病、高尿酸血症や尿蛋白・潜血などが指摘された場合には早めに専門外来を受診することを勧めます。当院でも病態に応じた検査を選択することが可能です。
診察は予約制となっております。受診をご希望の際は事前にご連絡をいただければ柔軟に対応いたします。
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